トピックス

2018.02.07

世界に誇る拠点に/知事らがクワ入れ RTF研究棟が起工

福島イノベーション・コースト構想に基づき、南相馬市と浪江町に整備される「福島ロボットテストフィールド(RTF)」の起工式が6日、南相馬市原町区萱浜地内の現地で行われた。内堀知事ら関係者がクワ入れし、無事故完成を祈願した。
RTFは物流やインフラ点検、大規模災害などに活用が期待される無人航空機や、災害対応、水中探査など陸・海・空のフィールドロボットを対象とした、世界に類を見ない一大研究開発実証拠点。国100%補助で県が整備する。
南相馬市復興工業団地内の約50㌶に「無人航空機」「インフラ点検・災害対応」「水中・水上ロボット」「開発基盤」の各エリア、浪江町の棚塩産業団地内に長距離飛行試験用滑走路を計画する。
両地区に整備する無人航空機用滑走路は、延長200㍍×幅員20㍍とし、管制室と整備室を備えた格納庫、電源とLAN接続口も配備。南相馬にはヘリポートや緩衝ネット付き飛行場なども建設する。
インフラ点検・災害対応エリアには、災害環境や老朽化状況を模したロボット試験用の橋梁、トンネル、プラント、市街地フィールド、瓦礫・土砂崩落フィールドなど5施設、水中・水上ロボットエリアには、水没市街地フィールドと屋内水槽試験棟を整備する。
開発基盤エリアには、RTFの本館機能を有する4棟構成の研究棟を建設する。規模はRC造2階建て総延べ約7600平方㍍。各試験の準備、加工、計測ができる部屋や研究室、会議室などを配する。
研究棟は建築が関場・藤特定JV、電気は光洋・三浦特定JV、給排水衛生ほかはセントラル住設・山元特定JV、空気調和を伊藤冷機工業が施工する。同日、安全祈願祭が行われ、無事故無災害での完成へ向けて関係者が玉ぐしをささげた。
起工式は、研究棟が着工段階になったことから県が主催。内堀知事はじめ、武藤容治経済産業副大臣、浜田昌良復興副大臣ら約90人が出席した。内堀知事があいさつで「甚大な被害を受けた浜通り地方の再生と地方創生を実現するため、イノベーション・コースト構想を推進している。特にロボット分野では、テストフィールドを整備し、技術開発と人材育成を進める世界に類のない一大拠点として整備していく」と述べた。
施設整備は段階的に進める。30年度内にヘリポートと試験用プラントを完成させ、両施設以外は31年度に順次供用させる予定。
一部施設は、32年夏に開かれるロボットの国際競技会「ワールドロボットサミット」で使用される。


ニュース一覧

トピックス

ニュース一覧