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2019.12.04

表法面の被覆工を提案/阿武隈川浜尾地区決壊堤防復旧

東北地方整備局の阿武隈川上流堤防調査委員会(委員長=橋迪夫日本大学名誉教授)は、台風19号により被災した須賀川市浜尾地区の堤防決壊の原因を分析し、本復旧の方法案を取りまとめた。2日に仙台市の同局で開いた第3回会合‌​で示した。
決壊個所は阿武隈川左岸の浜尾遊水地「浜尾第2樋門」周辺の約50m。本復旧方法は、堤体への河川水、降雨の浸透を抑制するため表法面の被覆工が望ましいと提案。原形復旧となる表法面のコンクリート連節ブロックの布設や天端の舗装のほか、これまで行っていなかった計画水位高より上部の堤体の被覆も求めた。また、阿武隈川の本川整備による水位低下を基本方針とすることも提案した。
原因については、決壊個所の上流部から浜尾遊水地南側に越流した氾濫流が樋門付近に集中し、堤内地側からの越水による洗掘と推察。堤防全体が水没したことで、堤体の浸透水が飽和状態となり弱体化した可能性も考えられるとした。
高橋委員長は「従来では想定していないタイプの水害。災害の発生原因の変化に、治水対策も対応していく必要がある」と述べた。
今後、東北地方整備局は委員会の意見を踏まえ、現地調査や詳細設計を実施し、早期の工事実施を目指す。


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