旭日単光章を受章した梅宮吉男氏に聞く

【プロフィール】
 梅宮 吉男氏(うめみや・よしお)
昭和16年8月生まれ。同53年10月にビルド商事を創業、同63年から県産業廃棄物協会理事の職に。平成7年に厚生省生活衛生局長感謝状、同22年には環境大臣表彰を受賞。同25年旭日単光章を受章。
 「身に余る光栄。自分が一番驚いている」と照れながらも笑顔で受章の喜びを。仕事が認められた嬉しさと同時に、命の限り仕事に尽力したいという創業当初の思いを再認識したという。経営が成り立つか不安を抱えつつも、産業廃棄物処理業界の社会的地位向上確立にまい進してきた日々はあっという間に過ぎた。
 「目立たないが、すべての人の生活に関わる重要な仕事。自然を犠牲にした発展は次の世代に迷惑をかける。大量生産・消費の時代から循環型社会への転換がわれわれの仕事」と先を見据える。
 産廃業は後世にきれいな環境を残し、豊かで健康な心身を育むために必要だと社会の認識も変化してきたが、標準化・基準化が難しいため状況に応じた柔軟な対応が求められる。座右の銘の「日々新たなり」からも仕事への姿勢がうかがえる。
 泉崎村出身。現在は夫人、長男夫婦、孫2人と泉崎村の自宅で同居。常務取締役を務める長男は片腕として会社を支える。     
 農家生まれの生い立ちからか自然と触れ合うことが自分を取り戻す術。ただ家庭菜園で息抜きのはずが「草一本でも勉強になる」と仕事を常に考えてしまう一面も。
 受章記念に事務所を新築するかと嬉しそうに話しながら、職場は自己人格の錬成道場と呼ぶ厳しさも。「自身に不都合な事案はすべて自身への人生修業への種」という信念は今も変わらない。