県電設業協会長・坂本幹夫氏に聞く

【プロフィール】
 坂本 幹夫氏(さかもと・みきお)
父・愽太郎氏は協会の3代会長。立教大学社会学部卒後、東邦銀行入行。平成10年に常盤電設産業常務取締役に就任、15年5月から代表取締役社長。趣味はゴルフ。昭和18年3月28日生まれ。

 震災復興が本格化する中、県内電設業界のけん引役を託された。「震災後の非常事態は続いており、復興に最善を尽くす。ただ復興需要も2、3年。その後の業界を懸念している」と県民に信頼される技術集団としての役割を果たしていく一方で、現況を冷静に見つめ、協会の基盤強化を図る。
 課題に震災前の公共投資減少、価格競争で減少した会員の増強を挙げ「協会の存在意義を高める。難しいが挑戦しないわけにはいかない。災害協定の加点評価などのメリットについて同業者に対する発信を強めたい」と意欲を示す。
 継続的に取り組んでいる新分野進出も重点の一つ。再生可能・新エネルギー分野での会員企業による事例が出始めており、従来からの研修会だけでなく、ノウハウなどの情報提供も検討し、会員に挑戦を促す。
 昨年9月の一般社団法人移行を受けて、これまで以上に地域に根差した取り組みに力を入れる。目玉は人材育成。いわき、会津で行っていた高校生のインターンシップを全支部に拡大する。災害協定は震災経験を踏まえ、より実効性の高い実施体制づくりを検討する。
 平成7年から5期10年会長を務め震災直後、急きょ再登板した松﨑勉前会長の跡を引き継いだ。「この世界に入って15年の私の任ではないが、松﨑会長を再々登板させるわけにはいかない」と謙虚に話すが、座右の銘の「一隅を照らす」を実践し将来への道筋を立てていく。