
諸星 一信氏(もろぼし・かずのぶ)
昭和35年8月16日生まれ、横浜市出身。東京大学大学院工学系研究科を修了し、昭和61年運輸省入省。熊本県土木部港湾課長、港湾空間高度化環境研究センター(現みなと総合研究財団)研究主幹などを歴任
港湾復旧は相馬など5年計画の施設以外は今年度完成が見込まれ、仙台空港も秋には完了する。「復旧した施設を産業・生活の回復に結び付け、地域の復興を成し遂げていくことが重要。大きな責任とやりがいのある仕事で、微力ではあるが全力を傾けたい」と抱負。
震災4カ月後に塩釜港湾・空港整備事務所長に着任。宮城県内の施設復旧を指揮した。資材・人手不足への対応として、適切な設計変更や、事業者間調整などにより受注者が施工に専念できる環境づくりに努め、特に重要視した安全面は「できる努力はすべてしてきたつもり」と情報の共有化などで事故防止対策を徹底。これらの取り組みを継続していく。
生活の根幹となる社会資本としての港湾の役割を震災で再認識するとともに企業立地、取扱貨物量が増加している酒田港を例に「地域の特徴的な場として、どの港も経済をけん引できる可能性がある」と、岸壁があり用地が広大という特殊な空間である港が地域の強みとなることを期待する。
ガレキ撤去、航路啓開に奮闘した建設業への社会認知度の低さに「全くもって残念。継続的に訴えたい」。策定予定のBCP(事業継続計画)は拙速な作業を避け、個々の港の状況を踏まえ関係者の意識の醸成を図る。
「目の前の課題に全力で取り組む」がモットー。「食べ物、お酒がおいしい。温泉が非常に良い」という東北で自然に触れ温泉をめぐるのが楽しみ。