石原 章男(いしはら・あきお)
会津若松市生まれ。数年前に夫人を亡くしてからは、長男の彰仁氏と2人暮らし。現在も、祝言の席では木遣(きやり)歌を披露し、生きがいにもなっている。
このほど開かれた東北ブロック鳶土木工業連合会第20回総会で、吉田萬悦氏(岩手)から会長職を引き継いだ。約160社の会員のうち福島が半数以上の94社。会員同士で鳶の行く末への思いを語り合い、考え方に大差はないと感じている。
身軽に現場内を行き来し、時には梯子乗りも披露する。かつて火事場で活躍した鳶職は、表地は地味な一色のはんてんでも、裏地には派手な刺繍を入れるなど、粋な文化が引き継がれている。「若鳶」という言葉があるように、建設業の他業種に比べ若い職人も多い。
一方で「次代を担う若者が将来を託せる仕事として考えてもらいたい」との危機感もある。自宅には故大野伴睦氏(衆議院議員)に書いてもらった「義理と人情、やせ我慢」の掛け軸を飾る。鳶の心意気を言い表す言葉の一つだが、「やせ我慢」も時には限界が来る。
公共工事の設計労務単価がようやく引き上げられた。うれしいニュースだが「単価が上がるのはいいが、これを適切に反映させることが大事」と話す。組織のトップとしてこうした問題を直視し、早速、関係機関に足を運ぶ準備を進めている。
震災後、曳き家の仕事も東北各地で忙しいが、これが一段落した後の状況も見据えている。
県鳶土木工業連合会会長の要職にあり、かつて県名工会会長を務めた名和重夫氏から、今回の会長就任を喜ぶ葉書が届いた。