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2011.08.12

県建設業協会/汚染土壌の除染実証/川俣で浄化装置の除染能力確認

 浄化装置を通した汚染土壌の洗浄、スーパーソリウェルパウダー(SSP)を用いた洗浄廃液(汚染水)処理による汚染土壌・水の浄化能力を確認し、放射線量の低減した洗浄土の再利用、汚染土壌の縮減が可能であることを実証した。秋田県横手市のクマケン工業が技術協力した。
 同協会は地域住民が安心して生活できる環境を取り戻すため、土壌の除染事業に取り組むことになった。川俣町の協力を得て富田小で実証実験を実施。作業は、クマケン工業の協力で川俣町建設同業会加盟各社が行った。
 同協会各支部から約60社が参加した。三瓶英才会長が「実験プラントを設置し土砂中の放射性物質を除去する初めての試み。今後の取り組みへ参考にしていきたい」とあいさつした。
 クマケン工業の熊谷賢治社長が、放射能汚染土壌・汚染水の処理方法や作業の流れを解説。グラウンドに設置したプラント設備を使用して汚染土壌の除染作業を進めた。
 除染前の汚染土壌の放射線量は毎時約2・7μSV/hで、除染後の洗浄土の放射線量は約0・4μSV/h~0・5μSV/hと線量低減が図られた。また、SSPを使用した今回の処理方法では、プラントに投入した汚染土壌のうち約75~80%を再利用可能な洗浄土とすることができる。残りの約20~25%は放射性物質の圧縮された高濃度の脱水汚泥(放射線量約5・2μSV/h)となるが、保管場所の縮減も図られる。
 三瓶会長は「今回の実証実験で、土壌の除染に効果があることは分かった。除染方法の検討を進めながら、まずは学校の校庭、各地域の側溝など、公的機関からの要請があれば、地域の除染に向けて各支部協会員でしっかりと対応していきたい」と今後の方針を語った。