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2011.08.05

土壌洗浄方式実証実験/福島市と造園福島支部

 福島市と県造園建設業協会福島支部(渡辺和明支部長)は4、5日、市内渡利の七社宮児童遊園で、放射性セシウムの除染方法のひとつである「土壌洗浄方式」の実証実験を行い、小規模公園や住宅などの除方法として実用できるかどうか検証した。
土壌洗浄方式は、市放射能対策アドバイザーの石井慶造東北大学大学院教授が提唱するもの。粘土に付着しやすいセシウムの性質を利用し、剥ぎ取った土に水を加え、かき混ぜることで粘土と土、水を分離させ、セシウムが吸着した粘土のみを保管する。
分離した土にはセシウムが含まれないため、保管する容量は剥ぎ取った土の10分の1程度に抑えることができ、剥ぎ取る土も放射線量に応じて、表面から概ね1~2センチ程度で済むという。
一方、人力による作業が中心で手間もかかることが予想されることから、 効果とともに作業にかかる人数や時間などを調べようと実験を行った。
実証実験には市公園緑地課、同支部から30人が参加。石井教授をはじめ東北大学のスタッフ6人が監修、協力した。
公園内の雑草を刈り取った後、放射線量を測りながら線量が3分の1程度下がるよう、スコップなどを用いて土を剥ぎ取った。剥ぎ取った土はミキサーで洗い、取り出した粘土は洗濯機で乾燥し保管した。
市では当面は、比較的規模の小さい公園の除染方法のひとつとして想定しているが、実用化や粘土の処分方法に目処が立てば、住宅等への活用も視野に入れていく。

公園内の表土剥ぎを行う参加者(右)